ご高齢の患者さんの流涙症に注意してください。
先日10年近く続いていた流涙症の患者さんですが、『目頭の近くが最近腫れて来て、血液が出てきた。』と、とても優しい息子さんに連れられて車椅子で来院されました。鼻涙管の閉塞症で涙囊に涙が溜まっていた期間が長かった事と、患者さんの免疫力低下により、急性涙囊炎を起こし、膿んできて、皮膚に穴が開き、皮膚瘻を発症し、そこからの出血でした。
毎日の点滴と消毒を繰り返し行ない、やっと皮膚の穴が閉じましたが、原因となる鼻涙管閉塞症が治った訳ではなく、再び同じ状況に成り易いものと考えられました。
矢張り、『涙が溢れるくらいだから、拭いておけば良い』と思わず、流涙症専門医に成るべく早く診察を受けて頂き、専用CTを用いた涙囊造影を行ない、早目の治療が必要です。
特に今年の夏はいつもよりも暑く、目元が汗と流涙症が重なって、更なる悪化が懸念されます。お気を付けください。