目やにが出る、涙が出る、目尻がただれ、涙を拭いてばかりの患者さんは昔から多くいらっしゃいます。しかし、患者さんの涙に関する訴えを真剣に聞いて差し上げる眼科医が今までは少なかったと思います。
私は昭和の時代からズットこの症状に取り組んで来ました。
患者さんの訴えは真剣で、とても煩わしいと思ってらっしゃる事がヒシヒシと伝わっておりました。
この訴えをどうにか解決して差し上げようと毎日必死でした。
母校の久留米大学医学部第一解剖学教室(現、肉眼・臨床解剖部門)の吉塚教授の門を叩き、許可を得て、ご検体を前に解剖に取り組み、今の鼻内法(顔に傷を入れず、鼻の中から切開をし、日帰り手術を行う)を会得しました。現在は山木宏一教授の元で嵯峨堅助教授のご指導を賜って居ります。
一般的には、どこの医療機関に受診されても、7日間程入院し、全身麻酔で目頭の皮膚を3cm程切開する鼻外法を行っています。これはお顔にバッサリと傷が入り、傷跡が残ります。
然も、術後の成功率も低く、患者さんの満足が得られる率が少ないのです。
その上に、心にも傷跡が残ります‼️ これが一番患者さんにとっては重大な問題の一つなのです。
私がこの約20年間行って来た鼻『内』法は、お顔に傷が全く無く、日帰り局所麻酔で歩いて帰られますので遠方からの患者さんにとても喜ばれています。
これは今でも週一回、ご検体と真摯に向かい、鼻『内』法研究を続けて来た賜物と有り難く思って居ります。後に成りましたが、ここで、ご検体に深く感謝申し上げます。